少しネタバレっぽいのを含みます。
なかなか面白かった。最初はグロいシーンも多かったのだが、それが段々と黒に塗りつぶされていくような感じ。ただ、阿部サダヲ演じるシリアルキラーの人心掌握術についてもうちょっと説得力が欲しかったかな。
シリアルキラーが「世の中善人ばっかりで御しやすい」みたいなこと言ってて、確かにそうだよなーと思った。確か角田光代の「紙の月」でも世の中は人を疑うことを知らない善人が多いみたいなこと書いてなかったっけ。モラルに反する人たちってそういう悪意を持つこと自体に優越感を持ち、それにすがることで自己肯定感を保持しているのかも知れない。
話は戻って、特に後半の岡田健史と阿部サダヲの面会室のやり取りは緊張感があって本当に良かった。後半、ヒロインがシリアルキラーの手下にさらわれて岡田健史が救出に行くみたいな展開になったらやだなあと思っていたのだけれど、そういう展開にならなくて本当に良かった。
結局シリアルキラーは肉体的に他者を支配することから精神的に他者を支配することに快感を覚え始めたのだろうな。まあ、捕まってしまえば物理的に他者へ影響は与えられないので精神的に支配しかできないのだろうけど。
ところで岡田健史を松山ケンイチとずっと勘違いしてた。いろんな役するなあと思っていたのだけれど、エンドクレジットであ、違う人じゃん、と気が付いた。