映画「護られなかった者たちへ」を観てきた

今年見た映画の中でNo.1の傑作。冒頭から陰鬱で救いようのない状況が続く。そんな中でミステリー、社会派な問題提起、そしてエンディングまでが非常にうまく融合してる。俳優の演技も素晴らしい。特に主演の佐藤健の目で演技するところは、本当にスゴイ。常に社会に対し敵意を出してるところ、お婆さんからの親切に対してどうやって対応したら良いか分からない不器用さの表現。

そして、悪役的な立場にいる人たちも一面的な描き方では無くて、ある面では善人であることも説明される。システムの矛盾に巻き込まれて疲弊していく。

批評観てると動機が弱いとか言ってたけど、憎悪は愛情の裏返しなので、愛情が強ければ強いほど憎悪も大きくなっていくのは必然。

更には女性のしたたかさや強さもちゃんと描かれていた。

序盤からどんどん引き込まれて、あっという間の2時間だった。これは絶対に映画館で観て欲しい。きっと何年か、何十年か経過したときに2021年の名作として上がる映画になると思う。