手に入れたものは増減せず、変わっていくだけ

18歳で家を出てから、何回住む場所変わったか。今、住んでいる場所で4都市目か。同じ都市内だともっと多い。これからもまた住む場所は変わるんだろうな、となんとなく思ってる。しかも住む場所は段々と故郷から遠くなっている。最後俺はどこで死を迎えるのだろう。

俺に取ってはそういう生活の基盤となる場所がどんどん変わるのはもう当たり前に近くなってて、住む場所が変化することは苦ではなくなってきた。そしてそういう人生を歩んでいく中で、住んだ場所で得た行きつけのお店や、文化なんかもいつか手放し、また別の場所で手に入れていく。

年を取るごとに手元にあるものが増えていく、と言う感覚は無くて、常に手元にあるものが変わっていく、と言う感覚。なので、何かを失ったように見えて、きっと代わりの何かを手に入れてる。失ったように感じるのは、その手に入れたものが分かりにくくなっているだけ。

年を取ると、若かりし頃がもう二度と手に入らないもので、思い出すだけで胸をかきむしるような気になることがある。でもきっと今の何かを手に入れていて、また老人になったころに今の時代を思い出して同じような思いに至るのだろうか。