良い時代になった。中二病とともに、何者かになりたいと言うのは恐らく、現代人の成長過程で必ず通る道だ。それについて、今までは書物には書いてあったかも知れないけれど、そういう通過儀礼が成長途中にあると教えてもらえるのだ。こういう年を取った人からのライフハックが多く出てくるのはインターネットの恩恵だ。
中二病も何者かになりたい病も、一度は掛かっておくべき病だ。それも、皆がかかる時期に自分も同様にかかるべき。そうやってかかっておかないと、年を取ってからかかると拗らせてしまうから。
成長すれば否応なしに中二病は客観的に見て恥ずかしいし、何者かになりたい病も、年を取れば何者にもなれない自分に気が付く。年を取れば通勤電車の目の前に座っている冴えないオッサンと俺は同レベルであることを理解せざるを得ない。
俺はつくづくこの世は矛盾だらけだと思う。孤独になりたくないけど人は孤独だ。失敗したくないけど人は失敗し続ける。何者にかなりたいと願えば願うだけ、何者にもなれない自分が気が付く。
でもどれもあきらめちゃダメなんだ。孤独から逃れるために他人を理解しようとし続ける。失敗し続けるけど失敗しないように努力をする。何者かになれないけど何者かなろうと努力をする。
それは死ぬまで続く終わりのない作業。
俺は日本人が剣道とか柔道とか書道とか、何かを極めることを「道」と名付けたのは本質をついていると思ってる。そしてその道の達人は口を揃えて言う。まだまだ極めて無いんです、と。
人生も全く同じだ。死ぬまで自分の信じる道を極めようと努力をする。極められないのを分かっていながら。