小説「紙の月」を読んだ

年に何回か海外出張に行くのだけれど、移動の飛行機内が超絶暇になるのでいつも本を持っていくことにしてる。今回はこの「紙の月」を読んだ。

あらすじは簡単に言えば人妻が若い男と浮気をして横領して貢ぐって言う話。ただ、人生が転落していくきっかけでヒロインが全能感を感じるって言う描写があり、全能感って麻薬みたいに人を変えてしまうんだなとまた実感。

感想サイトなどを見て廻っていると特に女性はこのヒロインの気持ちがよく分かるって書いてて、ああいう突然の大きな変化について女性は心当たりがあるんだなと思うと怖くなった。

長年の付き合いとか歴史とか、そういうものの積み重ねを無にして一気に変わってしまう人。俺は年を取ってしまったせいか、そういう大きな変化が怖い。特にその原因が理解できないのは恐ろしくてしょうがない。

人はただ単に年を取ることは誰でも出来るけれど、正しく生きながら年を取っていくと言うことが本当にとても難しいと感じてる。苦闘と苦難の道だ。

何だか最近は自分で自分の心を縛り付けるようなことばかりやってるような気がしてる。いつか脱却できるのだろうか。