尼崎連続変死事件の本。こんなに読み進めるのがつらい本は初めて。とにかく角田美代子のやり口が酷すぎて、何ページか読むと気分が悪くなって休憩を取らないと読み進められない。
北九州連続殺人事件の松永太もそうだったが、とにかく誰か一人を奴隷状態に置き、それを橋頭保に他の家族にも侵食し、勢力を拡大していく。養子縁組などで家族としてしまえば、警察も民事不介入と言う言葉を盾に相手にしてくれなくなる。
この事件でも、何度も被害者は警察に駆け込んでいるのに民事不介入と言って対応しない。
関西の警察の印象は俺も悪い。以前、友人の結婚式に警察関係者が出席していたが、新婦の友人にセクハラ発言を浴びせつけて非常に不愉快だった。
実は俺の仕事関係でもこういうサイコパスがいた。彼は角田美代子とか松永太と同じやり口を使ってた。俺の家族をやたら紹介しろと言い、長時間の拘束で判断力を低下させて自分の意思を通す。しかもはっきりと意見を述べず、それとなく空気を読ませるような言動で自分の意思を表示してくる。
俺は犯罪物の本を結構読んでいたので、このやり口はサイコパス特有だなと気づき、すぐにその場から立ち去ったが、残された真面目な連中は洗脳されつつあったな。朝まででも拘束する話っぷりだったが、速攻引き揚げた。
人間って生まれた時は感情のみで動いているけど、成長するにつれ、理性を獲得し、理性に従って生きる。
だけれども、50手前の年になって周りを見渡すと、自分の欲望のために理性を使っている、欲望と言う目的を達成する手段に理性は成り下がっていることを感じる。
結局、世の中は欲望で駆動していて、その表面を薄く理性と言うものが覆っているだけなんだ。
この社会は、一見理性(法律とか、モラルなど)で動いているように見えるけど、そこで縛れる人間の行動はほんの少しで、後は欲望が支配してる。この世の中をうまく生きるには、一見理性で動いているように見せかけて、実はどす黒い欲望と言う強力なエンジンで前に進むことかもしれない。
角田美代子も松永太も、超強力なエンジンを持っていて、そして他人も家族化し、弱みを握り弱らせていくと言う手段を得てここまでの非人間的な行為まで行ってしまったのだろう。非人間的と言うか、むしろ非常に人間らしい行動なのかもしれない。